安倍晋三政権が今国会の最重要法案の1つと位置づけるカジノを含む統合型リゾート(IR)施設の整備法案は20日、参院本会議で与党などの賛成多数によって可決され、成立した。多くの先進国で社交の場として認められているカジノを合法化し、政府は外国人観光客の拡大や地方活性化につなげたい考えだ。一方、当初から反対してきた野党は、西日本豪雨の災害対策を優先すべきとし、内閣不信任案の提出などで激しく抵抗してきた。 カジノ含むIR法案が成立、野党は内閣不信任で抵抗 - JP |
ついにIR法案が成立しました。
壮大な負の遺産であった大阪夢洲を生かせる、絶好の機会ともいえる今回のIR構想。
様々な企業から、様々な案が出されておりますので改めてまとめてみたいと思います。
まず初めに夢洲への進出に意欲的な企業をピックアップしていきます。
●ラスベガス・サンズ
ラスベガスの大手企業です。ラスベガスのベネチアンやシンガポールのマリーナベイ・サンズで有名ですね。
(写真はwikipediaより)
ラスベガス・サンズ は20日、特定複合観光施設区域整備法の成立を歓迎するコメントを発表した。 本日、統合型リゾートを開発・運営するラスベガス・サンズ(本社:米国ネバダ州ラスベガス/NYSE:LVS)は、統合型リゾートの設立を実現するための重要な節目となる特定複合観光施設区域整備法の成立を受けて、日本へのお祝 ラスベガス・サンズ 、特定複合観光施設区域整備法の成立を歓迎するコメントを発表... - 観光経済新聞 |
先の法案を歓迎するコメントも出しております。
●ウィン・リゾーツ
ウィン・ラスベガスなどを展開する企業です。この企業は日本のパチンコ機製造会社アルゼと仲が良いなど日本にはある程度のパイプを持っていると思われます。
(写真はwikipediaより)
ウィン・リゾーツは20日 、IR実施法案の成立を歓迎するコメントを発表した。 ウィン・リゾーツは、日本の国会におけるカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案(以下、IR実施法案)の成立を歓迎いたします。本法案成立は、日本における統合型リゾート施設実現の非常に重要なステップになると考えております。 ウィン・リゾーツ 、IR実施法案の成立を歓迎するコメントを発表 - 観光経済新聞 - 観光経済新聞 |
●ギャラクシー・エンターテインメント・グループ
マカオを拠点とする企業です。ギャラクシーマカオ等を運営しています。
(写真はwikipediaより)
ただし、ギャラクシー・エンターテインメント社がウィン・リゾーツの新規発行株を530万株購入したとの報道があるため、ウィン・リゾーツとの合同企業形式で参入してくる可能性もあります。(可能なんですかね?)
●MGMリゾーツ・インターナショナル
ラスベガスを本拠地とする大手企業です。ルクソールやモンテカルロなどラスベガスの有名ホテルを運営しています。
(写真はwikipediaより)
またMGMリゾーツは「岸和田だんじり祭り」や「道頓堀リバーフェス」、「天神祭」に協賛、参加しています。
かなり力を入れているのが伺えます。
合同会社 日本MGMリゾーツのプレスリリース(2018年4月26日 10時46分)日本MGMリゾーツ、ゴールデンウィーク開催のに協賛・出展 日本MGMリゾーツ、ゴールデンウィーク開催の「道頓堀 春フェス2018」に協賛・出展 - プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES |
日本でのIR展開を目指す日本MGMリゾーツが、大阪の天神祭で米ラスベガスのエンターテイメント集団「ブルーマン・グループ」のショーを上演。奉拝船に参加し、水上パレードで披露。 IR大手MGMリゾーツ、大阪の「天神祭2018」に協賛、地域イベントへの参加に意欲 - トラベルボイス |
特に25日の天神祭、船渡卸で行われるブルーマン・グループのショーは私もすごく楽しみにしております。
他の企業も一般市民に見える形でのアピールを期待したいですね。
●メルコリゾーツ&エンターテインメント
マカオやマニラに拠点を持つ企業です。本部は香港です。
シティ・オブ・ドリームスやスタジオ・シティなどを展開します。
(写真はwikipediaより)
こちらもイメージパースの公開や大阪オフィスの開設など意欲的に取り組んでいます。
中国の富裕層に強いという特徴があり、中国人富裕層を主目的に大阪への進出を目論見ます。
●ゲンティン・グループ
マレーシアの複合企業です。大阪への参入を明言している様子は見られませんが4月に行われた「関西IRショーケース」に参加するなど日本進出を想定しています。
マレーシアのゲンティン・ハイランドやシンガポールのセントーサ島にあるリゾート・ワールド・セントーサなどを運営しております。
(写真はwikipediaより)
セントーサ島のリゾート・ワールド・セントーサ内にあるユニバーサル・スタジオ・シンガポールが有名ですね。進出が決まればUSJとのコラボなども期待できるかもしれません。
さて、ここまで挙げてきた企業は大阪進出に意欲を示しており、いわゆる媚売りも活発に行っています。
前述のMGMリゾーツのようにお祭りなどの協賛を務めたりです。
そしてIRと並ぶ大阪の打ち上げ花火、大阪万博2025のオフィシャルパートナーを覗いて見ると…
“EXPO’70”から半世紀。そして再び、大阪・関西から世界へ。いのち輝く未来社会のデザイン オフィシャルパートナー・オフィシャルサポーターについて | OSAKA,KANSAI EXPO 20... - OSAKA,KANSAI EXPO 2025 |
名だたる在阪企業をはじめとする日本の大企業に交じって…
●メルコリゾーツ(リンクおかしくないですか?)
●日本MGMリゾーツ
●シーザーズ・エンターテインメント
●ラスベガス・サンズ
等々軒並み並んでおります。
各社ともにこれからさらにアプローチを強めていくでしょうが、現状MGMリゾーツ以外はあまり一般人へのアプローチが足りてない印象を受けます。
各社はそれぞれの強みを生かして一般人にもIRの素晴らしさがわかるような、そんなアピールを期待したいです。
そして、2018年8月現在に公開されている各社のイメージ図を並べていこうかと思います。(とはいってもメルコとMGMしか見つけられなかったわけですが…)
まずMGMから。
MGMは初期案と修正版を発表しておりました。
●初期案
初期案はかなり意欲的なイメージ図でした。
これだけの高層ビルが並んでいたら、対岸からの夜景撮影もきっと楽しいでしょうね。
しかし、やはり無謀すぎたのか修正案では高層ビルが減らされましたが、MICE施設やアリーナ施設であろう建物の面積が格段に増え、また海上でのショーなどエンターテインメント性が増加した気がします。
上空からのイメージ図だと左側がやはりメガソーラーになっていますね…正直ソーラー発電は効率がよくないので全部IR業者に売り払ってしまったほうがいい気がします。
リゾートの時にメガソーラーがただ並べられているなんて信じられないセンスのなさです。どうせ発電するのであればデザイン性に優れた施設の天井に張り付けておけばよいのです。
次はメルコです。こちらもかなりイメージ図を出しており、ワクワクするような計画です。
こちらは最初期のデザインです。万博会場予定地が完全に無かったりと完全に話題性だけを狙ったイメージですね。
イメージとしてはかなり意欲的です。
壁面に大きい広告を出す。意外とありかもしれません。
クルーズ船からやってくる富裕層に向けてのアピール性を考えるのであればメルコ案はMGMよりも優れております。
しかし少しデザインが古い気がするのです…20世紀に考えられた21世紀のような感じが少ししますね…
バルーンハウジングなどかなり意欲的な案なのでさらにブラッシュアップしてほしいです。
これら二つの画像はメルコリゾーツのHPに日本の統合型リゾートのコンセプトとして描かれており、大阪と明言しておりません。
これから日本国内では誘致合戦が行われるでしょう。
特に国は東京一極集中の政策をいまだに進めており、自治体から声が上がっていないのにお台場や横浜が勝手にノミネートされている始末です。
他にも沖縄、長崎、北海道など手強いライバルがいます。
大阪はその点では知事、市長共に協力体制にあり、なおかつ周辺環境が悪くなりようがない海の真ん中というアドバンテージがあります。
IR業者も大阪へ相次いでオフィスの開設や広報活動などを行っております。
万博、IRこの二つは国策により衰退し続ける大阪を復活させるうえで重要なカギとなるでしょう。一地方都市としておもしろくない、ワクワク感のないイメージだけが悪い都市となるか、世界中の観光客を魅了する先進的な都市となるか。
今決断の時です。大阪の諸問題をずるずると先延ばしにしてきた過去を断ち切る時が今なのです。